追憶のエデン
(――ッ!……頭ぁ…グラングランするッ……!)
グレンと話してる途中からの記憶が曖昧…というより、すっぽり抜け落ちてしまったみたいに記憶がない。
飲み過ぎたかと思ったけど、二日酔いによくある吐き気が感じられないのに、意識だけがぐるぐると回る脳内でふわふわとしたままだった。
現状が理解できないまま、それでも重たい瞼を薄っすらと開ければ、グレンと目があった。
「おはよー。気分はどう?」
「――ッ…ぅあぁッ!…」
少し身動きを取れば、床に転がされた身体に巻き付けられた縄が、意志を持ったかの様にきつく締め上げていき、骨が軋んみ、ふわふわした意識を一瞬で現実に引き戻すくらいの痛みが両腕を襲った。
「気分なんて良くないよねー。っていうかぁ、寧ろ最悪?アハハッ!」
そう言って無邪気に笑うグレンに、頭が混乱する。
何故グレンがこんな事をするのかはわからない。そしてこの場所は一体どこなのかも……。
取り敢えず此処が何処なのかだけでも把握しようと、首だけを慎重にゆっくり動かして辺りを見れば、壁のクロスが所々剥がれ、壁が少し崩れ落ち、ボロボロな布きれ同然のカーテンと、スプリンクが壊れ、フレームもボロボロになったダブルベッド、電球が割れた照明器具がぶら下がった部屋だった。
「あっ!ここ?
ここはねー、廃墟と化した娼館だよー。
…ん?何でーって顔してるね。」
「それはねー…。」
「ご苦労様。本当にいい子ねぇ、わたくしの可愛いグレン。」
「――!!姉様ッ!!」
部屋の扉を開け妖艶に微笑みながら、アリシアさんが深くスリットの入ったマーメイドドレスの裾を翻しながらこちらに歩いてくる。そしてグレンはアリシアさんに駆け寄り、アリシアさんのブロンドの髪を一房掴むと愛しそうにキスを落とし、腰に腕を回した。
グレンと話してる途中からの記憶が曖昧…というより、すっぽり抜け落ちてしまったみたいに記憶がない。
飲み過ぎたかと思ったけど、二日酔いによくある吐き気が感じられないのに、意識だけがぐるぐると回る脳内でふわふわとしたままだった。
現状が理解できないまま、それでも重たい瞼を薄っすらと開ければ、グレンと目があった。
「おはよー。気分はどう?」
「――ッ…ぅあぁッ!…」
少し身動きを取れば、床に転がされた身体に巻き付けられた縄が、意志を持ったかの様にきつく締め上げていき、骨が軋んみ、ふわふわした意識を一瞬で現実に引き戻すくらいの痛みが両腕を襲った。
「気分なんて良くないよねー。っていうかぁ、寧ろ最悪?アハハッ!」
そう言って無邪気に笑うグレンに、頭が混乱する。
何故グレンがこんな事をするのかはわからない。そしてこの場所は一体どこなのかも……。
取り敢えず此処が何処なのかだけでも把握しようと、首だけを慎重にゆっくり動かして辺りを見れば、壁のクロスが所々剥がれ、壁が少し崩れ落ち、ボロボロな布きれ同然のカーテンと、スプリンクが壊れ、フレームもボロボロになったダブルベッド、電球が割れた照明器具がぶら下がった部屋だった。
「あっ!ここ?
ここはねー、廃墟と化した娼館だよー。
…ん?何でーって顔してるね。」
「それはねー…。」
「ご苦労様。本当にいい子ねぇ、わたくしの可愛いグレン。」
「――!!姉様ッ!!」
部屋の扉を開け妖艶に微笑みながら、アリシアさんが深くスリットの入ったマーメイドドレスの裾を翻しながらこちらに歩いてくる。そしてグレンはアリシアさんに駆け寄り、アリシアさんのブロンドの髪を一房掴むと愛しそうにキスを落とし、腰に腕を回した。