オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
「ううん。怒ってないよ。元々、想太にはそんなに入れ込んでなかったし。ほら、今、私には夢くんがいるし、幸せにやってるし」

「そう……でも、ショックだったでしょう」

「……ちょっと哀しくなっただけ」

「梨聖……」

帆乃香は私を抱きしめてくれる。

酔っているのか、すすり泣きまでしてくれる。

「私は、大丈夫だってば」

「うん。でも……くすん」

「さやかは、想太くんとどこで出会ったの?」

鈴はワイングラスを傾けながら、尋ねる。

「去年の、外国語の講義で。私はドイツ語とってたでしょう。梨聖たちはみんな中国語だったけれど。そこで、想太くんもドイツ語で、席が近くて。夜間のバイトしてるから、中々講義に出られないから、ノート貸して欲しいって。それから、親しくなったの」

「そして、恋に発展したのね。梨聖という彼女がいるのを知って。さやかの方こそ、辛くなかったの?」
< 303 / 350 >

この作品をシェア

pagetop