オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
「この辺、コンビニってあったかしら」

「すぐそこにあるわよ」

「私と帆乃香で行ってくるわ」

鈴が率先して言ってくれた。

「帆乃香、行こ」

鈴が立ち上がる。帆乃香がそれに続く。

「ゆっくり、買い物してくるから」

鈴はそう言い、帆乃香と手を繋いで部屋を出て行った。

そして、私とさやかはふたりきりになった。

鈴が、ふたりで話し合う時間をつくってくれたのだろう。

そして、さやかはそれを求めていた。

さやかは、そんなにお酒を好きじゃないはずだった。

きっと、私とふたりきりになりたくて、日本酒が飲みたい、なんて言ったのだろう。

「――やっと、話せる機会ができた」

さやかは真っ直ぐに私に瞳をぶつけてくる。

ちょっと目が赤い。少々酔っ払っているのかもしれない。
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