オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
「え? どういうこと?」

「想太くんの方が、梨聖と別れたこと、ショックだったみたい」

考えもしなかったことだった。

「だって、私たち自然消滅気味だったのよ。連絡だってしてなかったし、デートだって何ヶ月もしなかった。その間、さやかと会ってたんでしょ」

さやかはなんとなく頷く。

「でも、想太くん、バイトで忙しいから。授業料も、いくらかは自分で出してるみたいだし。私とだって、会う機会は少ないわ」

「そうなの……」

てっきり、さやかにばかりかまけていると思っていた。

やっぱり、バイトとか忙しかったんだ。

「想太くんに別れを告げる時、彼、梨聖になんて返した?」

俺は別れない、って言っていた。私の存在が、支えになっていた、会えなくてもこころは繋がっていると思ってた、とかそんな内容だったような気がする。

「えっと……忘れちゃった」

私は言葉を濁した。
< 308 / 350 >

この作品をシェア

pagetop