SEL FISH

それ私も思う、と同意の言葉を頂いた。

「ずっと思ってたんだけど、藤沢さん呼びやめない?」

問いかけられる。濱さんが「二人も持って行ってね!」とこちらを見た。

「はいはーい」

手を挙げてあたしの分まで返事をしてくれた藤沢さん。

「あたしは、名前で人との距離を測ったりしないよ?」

言葉を吐いた。

それに一瞬だけ目を見開いて、一瞬強張った。

あたしは、きっと藤沢さんの気持ちは分からない。

堂本さんは「全く違うけど似ている」と言った。

「そうだね」

寂しそうに笑って、段ボールの方へ行く。あたしもその後ろについた。



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