桃の姫〜最強姫の愛した族〜
『柚瑠様?どうかされましたか?』


「お父さんから聞いてるだろ?」


『ああ、轟とその裏にいる組のことですね』


ここに南沢はいないけど、こくんと頷く。


私に連絡がきたってことは、南沢たち幹部はとっくに知らされているということ。


おかげで用件を言わずに先に進める。


「そう。それで、その準備時間がほしいんだけど、4日間休むことは可能か?」


頑張れば2日で準備が出来るだろうが、最終確認やらいろいろしたいし。


休めるなら休みたい。


『大丈夫ですよ。ここは不良が集まる学校です。試験の点数さえ良かったら何日休もうが、成績とは関係ないので』


わ〜お、それはすごい。


まぁ、おかげで休めるからありがたいけど。


「わかった。…あ、玲也たちがいるから大丈夫だと思うが」


『白龍に聞かれても何も言うな。…でしょ?』


「さすが南沢」


『だてに15年も一緒にいませんからね』


15年か…。


南沢の父親は私の祖父とお父さんの右腕だった。


昔は今よりも抗争が多発していたらしく、治安はとても悪かったと聞いている。


だからと言って、南沢の父親が抗争で亡くなったわけでもないが。


私が生まれた時、南沢は中学生だったらしく、一番年が近いからということで私の世話役となった。


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