桃の姫〜最強姫の愛した族〜
まぁ、それは私が中学を卒業する頃にはお役御免となったけど。


それでも、南沢はお役御免になった今でも私の身のまわりのことをやってくれる。


私からしたら南沢はお兄ちゃん的存在だ。


「ふっ、そうだな。南沢も忙しいのに悪いが、後は頼む」


『はい。柚瑠さまも無茶だけはしないで下さいね』


「心に留めとくよ」


そう言って電話をきり、携帯をポケットにしまう。


ぐ〜っと上に手を伸ばし、背伸びをする。


っと、龍哉に当分行けないこと伝えとかないと。


後々めんどくさいし。


携帯を取り出し、龍哉の名前を探す。


電話をかけると、すぐに龍哉は電話に出た。


おお、意外と早い。


暇してたのかな?


『…柚瑠か?今どこにいる?光汰が探してるぞ』


龍哉の後ろから聞こえる光汰の声。


…うん、何を言っているかわからないけど、何となく察したよ。


「ちょっとな。それより俺のせいで悪ぃな」


『何がだ?』


「光汰。俺がいねぇとか言って暴れてるんじゃねぇの?」


そしてそれを止める龍哉。


確証はないけど、そんな気がする。


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