桃の姫〜最強姫の愛した族〜
『まぁ、気にするな。うるせぇのはいつものことだからな』


「ふっ、確かにな!」


うるさいけど、そのうるさいのがまた救われる。


何か考えてることがバカに思えてくるんだよね。


『んで、何か用件があったんだろ?わざわざ電話してくるくらいだし』


ああ、そうだった!


危ない危ない。


もう少しで忘れるところだったよ。


「家の用事でしばらく学校休むことになったから。倉庫にも当分は行けねぇってこと伝えようと思ってさ」


『家の事情…?』


「ああ。親父に呼び出されてな。なんか急ぎみたいでさ。だから明日から休むよ」


一応本当っぽく言ってみたが…バレないよね?


こいつ、結構鋭いし。


それに最近、誰かが〝俺〟のことを調べてる。


上手く隠してるようだが、全部バレバレ。


くっきりと足跡残ってるし。


まぁ、ロックかけてるからバレることはないんだけど。


見れるのは偽情報だしね。


『理事長はなんて?お前のことだ。どうせ真面目に報告してるんだろ』


真面目って…。


報告するのは当たり前のはずなんだけど…。


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