桃の姫〜最強姫の愛した族〜
「ゆー君はゆー君やからな!」


…これは当分直りそうにないね。


「なんでそんなに呑気なんだ?!普通は焦るだろ!いつだってお前はそうだ!何があっても、妹が襲われた時だって冷静だった!!」


ユウの近くにいる麗の肩がビクッと揺れる。


それを見たユウは麗の頭をリズムよく撫で、玲也はそれに合わせて背中を叩いている。


〝麗は大丈夫〟


麗に気づかれないように、ユウが口パクで伝えてきた。


ユウにありがとうと伝え、麗に視線を向ける。


「麗」


「…お姉ちゃん」


「私は麗が大好きだよ。だからね、麗に何かあったとしてもすぐに助けるし、麗を守るよ」


笑顔でそう伝えると、麗は涙目で何回も頷いた。


「修平。私が妹を襲われて怒らないとでも?あんたを殺したいくらい憎いよ。だけどね、そんなことをしたら負の連鎖に乗ってしまうだけ」


襲われたから殺して。


殺されたから殺して。


そんなのがいいわけない。


だから私はそうならないように動くだけ。



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