桃の姫〜最強姫の愛した族〜
入り口から入ってすぐのところにある階段。


そこを登り、1番奥にある部屋が幹部室となっている。


「こんちわ〜?」


「ユズさん!!わあ〜!お久しぶりです!」


「ユキ、相変わらず元気だな」


もう苦笑しか出来ねぇよ。


「…ユズ、会いたかった」


「俺も会いたかったよ。シノ」


同じ家に住んでいるのに、俺の仕事のせいでなかなか会えないもんな。


しゅんとしてしまったシノの頭を撫でると、ニコッと笑顔になった。


男の子なのに、可愛いと思ってしまうのは女顔だからか?


「…ユズ、どうして男仕様で?」


「あ。ユウ、そんなところにいたんだ」


全然気づかなかったよ。


そして言いたいことはわかってるよ。


〝柚瑠〟の姿で黒狼の倉庫に入り、もし誰かに…特に白龍に見られたらヤバイからな。


「最初からいたよ…」


「まじか。…なぁ、確か総長部屋に俺の服あったよな?」


前来たときに置いてったはず…。


「ああ、イスに置きっぱなしだったから洗濯してクローゼットに入れといたよ」


わぁ…相変わらずのオカン気質ですな。


そんなこと言われたら、死を覚悟することになるから言わねぇけど。


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