いつだって、私は。

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あの日から、数週間。
赤葦さんとの会話は楽しくって、いつの間にか雨が上がっていた。
雨が止んでからも会話を楽しむほどの仲では無いし、自然とふたりとも家に帰った。


…私の頭の上に赤葦さんの水色のスポーツタオルが置かれたまんま赤葦さんは帰ってしまった。
だから返さなきゃいけない。
赤葦さんの学年はわかっているけれど、クラスはわからない。


だから会いに行きたくても行けない。
不用意に他学年のフロアをウロウロはできない、し。
だから洗濯したっきり返せずに、紙袋にいれて毎日持ち歩いていた。






会えないかもしれないなんて、そんなことを思い始めていたある日のこと。









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「__一花さん?」









中庭でお昼ご飯を食べていた私の名前を呼ぶ、透明感のある低い声が耳に響いたのは。
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