いつだって、私は。
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この声には聞き覚えがある。
声のした方に勢いよく顔をあげると、そこにはやっぱり。
「赤葦さんっ!」
こちらに手を振る赤葦さんが、片手をスラックスのポケットに突っ込んで立っていた。
トクン、また、あの時にみたいに。胸が高鳴る。
「はは、めっちゃキラキラした顔してる」
「会いたかったですもん」
赤葦さんに笑いながら会いたかった、と言えば赤葦さんは愉快そうに笑った。
それから俺もだよー、なんてふざけたように言う。
そのノリがやっぱり冬夜先輩に似てて。
脳裏に浮かぶ冬夜先輩の笑顔に、赤葦さんがかぶさった。
「あ、そういえばタオルなんですけど、」
「ん? あぁ、貸したまんまだったっけ」
はい、と言って傍らに置いておいた紙袋に手を伸ばす。
カサッと小さな音がして指先が紙袋に触れた瞬間。
__私は手を引っ込めて。あれ、すみません、と苦笑していた。
「家に忘れちゃったみたいです。似たような紙袋だったんで」
隣にある紙袋には間違いなく赤葦さんのタオルが入っているのに、私の口はそう走る。
赤葦さんはいいよいいよ、なんて柔らかく言ってくれた。
このタオルを返してしまったら、もう赤葦さんと話すための、会うための理由がなくなってしまう。
そう思ったら自然に手と口が動いたんだ。