みずいろハート
その時、ガチャガチャとドアノブを回す音が聞こえた。私は反射的に物陰に隠れてしまった。別に悪いことをしているわけじゃないけど。

氷織君が鍵を開ける。入ってきたのは氷織君と同じ制服を着た男子だった。氷織君より小さい。

「あれ、氷織早いな!」

「そう?」

男子はどかどかと家に上がる。しかし、突然立ち止まり、玄関にある靴をじっと見た。

「んん...?」

「何」

「えっ!?これ女物の靴じゃん!氷織お前まさか...」

「違う」

氷織君が私のいる二階に目を向けた。私はひょこっと顔を出した。
< 14 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop