孤独女と王子様
それでも、空港でようやく別れを選択出来たのは・・・咲子の浮気だった。
しかもその相手は、一緒に旅行に行っていた僕の同級生。

でも、僕はなぜかその同級生にも、咲子にも、怒りを全く覚えなかった。
最早、そのくらい興味が失せていたし、別れるいい理由になって、むしろ清々した。

それからと言うもの、咲子のことがあったので、成瀬川家の人間としてしか僕を見てくれない女性たちに僕はすっかり辟易し、卒業前に財閥の1つである鴫ノ宮(シギノミヤ)家のお嬢さんとの縁談を持ち込まれ、それなりに付き合ったけど、結局その後すぐに外資系のホテルに就職してからは彼女との時間も合わなくなり、自然消滅に近い形で終わりを告げ、

そこからは誰とも付き合うことなく現在に至る。

「話してしまうと、大したことないね、僕の恋バナ」

そうだ。
僕はちゃんとした恋愛をしたことがない。

由依ちゃんのことを"人を信用できないのか"と断罪したことがあったけど、僕だって人のことが言えない。
"女性を愛すること"つまり恋愛を信じていなかったから。
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