孤独女と王子様
『あの、剛さん』
「何?」
『剛さんって、人を好きになったことは、あるんですか?』

由依ちゃんに、痛いところを突かれた。

その答えは、決まっている。
でも、由依ちゃんの前でそれを言うのが、辛い。
正直になっていいのだろうか。

迷った。

由依ちゃんと"友達"になって約4ヶ月。

年末年始以外は、ほぼ毎週水曜日は一緒に過ごしてきた。

4ヶ月が短いものなのか、長いものなのか。
僕は由依ちゃんにとって、信用できる人間になり得たのだろうか。

判断がつかなかった。

でも、由依ちゃんは僕の質問の答えを待っている。
ここで嘘をついたら、やっぱり信用できない人間に成り下がるような気がした。

だから、僕は意を決して・・・由依ちゃんに言った。

「僕、25歳なんだ」
『はい』

由依ちゃんは僕が何を言おうとしているのか、分かっているのだろうか。
心が読める機械でもあれば、欲しいものだ。
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