孤独女と王子様
「言われなくても、彼女をガッチリ抱き締め続けますよ」

僕もよくこんなことが言えるもんだ。

『ですから、今度由依さんに直接改めてお礼をさせてください』
「本人が承知すれば、いいですよ」

そんな娘の変化を、父親はただ首をかしげて見ているだけだった。

今日のこの後の予定は僕は普通に実家に帰る予定でいた。

でも、宇梶さんからこんなことを聞いたからには、何としてでも由依ちゃんに会いたくなった。

会って、誉めてあげたい。

簡単な話だけど、今日、どうしても由依ちゃんに直接会わないと意味がないと勝手に感じてしまう僕だった。

今日の由依ちゃんは他の社員が担当しているイベントの手伝いで本店に行っているはず。

帰りが遅そうだったけど、僕は合鍵を持っているので夕飯のおかずとして頂いた中華料理のオードブルを細かく分けて容器に入れて貰ったものを持ち帰った。

サプライズで待っていようかとも思ったけど、合鍵持っていて驚きも何もないだろうと思い、夜10時頃に由依ちゃんの部屋で待っているとメールをしておいた。
< 227 / 439 >

この作品をシェア

pagetop