孤独女と王子様
『確かに最初から父さんではハードルが高いから、手始めに低めなところから行こうか』
「低め?」
『5日は、由依ちゃん休みだよね』

ゴールデンウィーク中だけど、さすがに毎日イベントがあるわけじゃないし、出版社の人も休みだから、打ち合わせも入らない。

だから5日も、翌日の6日の日曜日も、私は休み。
確か、剛さんも休み。

ゴールデンウィークの終わりには婚礼は入らない。

なので、そこを利用してブライダルフェアをやる。

そこにスタッフとして勿論剛さんも入るけど、3日と4日だけ。

私達の休みが図らずも重なった。

だから剛さんの問いに私は頷くと、

『ケン兄さんのところに行こう』
「局長?」
『局長って…もちろん仕事じゃないよ。由依ちゃんには"彼氏の兄"として会ってもらうの』

今、私達は普通に会話をしているけど、深夜2時過ぎから今…午後6時頃まで、定例会議で出社した3時間を除いては、ずっと剛さんに抱かれ続けた。
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