孤独女と王子様
「母さんはとにかく時間にルーズなんだよ。約束しても平気で遅刻。時間通りだったことがほとんどないの」
『あらまぁ、大女優はやっぱり違うね』
「パーティーにはよく顔を出す人だから、君も来ればいいのに」
『行かないもん』

レナっちはとにかくパーティー嫌い。
華やかなところで何をすればいいのか分からずにウロウロしているのが疲れるらしい。

1度だけ、ケン兄さんの妻の身分を隠して行った時、ウロウロが疲れるので1箇所にじっとしていたら、何人もの独身男性にナンパされる羽目になり、そこからは"旦那ストップ"がかかっているっていうのもあるんだけど。

「で、いつまで隠すつもりなのさ、ふたりは」

ずーっとこのまま日の目を見ない家族でいるつもりなのか?

『あと1年ちょっとだよ』

ケン兄さんがボソっと言った。
その言葉にレナっちはじっと耳を傾けている。

『そこで、俺は副社長に就任する予定だ。玲奈が龍成社で仕事をするのは俺が副社長になるまでの約束だから、玲奈が退職する時にそこでみんなに明かす』
『そうなんですかぁ?』

遠くから由依ちゃんの声がした。
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