孤独女と王子様
『あれから、舟さんには会ったの?』

コーヒーをひと口飲んで、ケン兄さんが聞いてきた。

「いや、多分ハードルは低いとは思うけど、これもなかなかスケジュールが合わせにくい人だから」
『おかしな話だよな。由依ちゃんのお父さんなのに、スケジュールを合わせるのに奔走するのが剛って言うのがさ』
「全然。僕達のプロセスには大事なことだよ」
『で、最後にお父様だよね』

レナっちもコーヒーを飲んで、チョコレートを食べている。

『マリ、ばぁばのところに行ってくる』

と、勝手口からマリちゃんは出て行ってしまった。

『行ってらっしゃい』

と澄ました顔で見送るレナっち。

『いいんですか?』

後片付けを終えてダイニングテーブルに座った由依ちゃんが聞く。

『ありがとうね、由依ちゃん。今コーヒー淹れ直すから。マリはいつものことだから大丈夫。そこの勝手口から実家の勝手口までの距離は3メートルだし』
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