孤独女と王子様
☆新しい生活~side YUI~
あれからすぐ、私は会社に手続きを取り、剛さんの提案通り、あの高層マンションへ引っ越した。

今まで住んでいた明宿駅からさらに2駅会社から離れた木塚駅というところから通うことになった。

剛さんも、明宿駅のアパートの時と同様、週の半分はここに来てくれる。

『具体的に話を進めて、早く僕もここに住みたい』

そう言う剛さんはまず、私の実父である鍬形舟さんとのセッティングをした。
ところが直前になってキャンセルされた。

『舟さんは忙しい人だから・・・でも、由依ちゃんのお母さんや啓慈と一緒に啓慈の夏休みに合わせてキャンプに行きたいって』

何だか奇妙な組み合わせだけど、私にとっては親睦を深めなければならないメンバーだから、お父さんの提案に快諾した。
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