孤独女と王子様
『ところで、剛と由依、結婚を決めたと聞いてからまだ会ってなかったから、ここで改めて言わせてもらう。俺はすごく喜んでいるよ。おめでとう』
「ありがとう」
『・・・って、信夫さんより先に言いたくて、無理矢理お前たちをここに呼んだんだけどな』

準備が出来ていたのか、すぐに料理が運ばれてきたけど・・・すごく高級そうなお肉料理。

この時間からお肉か・・・明日胃がもたれそうだ。

『食べ切れなければ、残してもいいからな』

お父さんはそう言うけどね・・・

ごはんは確かにお肉が柔らかいし、美味しい。
けど、量が多くて私には無理だ。

お母さんにはよく"食べ物は残さず食べろ"と言われ続けてきたので、残すことは不本意なんだけど、明日の健康を考えると、お父さんの言葉に甘えざるを得ない。

「ごめんなさい」

と、ナイフとフォークを置いた。

残したものと食器たちが下げられてから、お父さんが静かに話した。

『由依、遠慮はするな。もっと周りに甘えろよ』

テーブルの上にはコーヒーが置かれた。
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