孤独女と王子様
『あれはね、もう薄々そうじゃないかなって分かっていたからなの。それは、お母さんが当時、時々家を空けていた時は分かってなかったけど、剛さんと話した"替え玉"のことと、あと啓慈くんの顔を見てね。啓慈くん、お母さんに顔が似てるなって』

そういうことか。

『ねぇ、剛さん』
「なぁに?」
『今帰ったらさ、甘えん坊になってもいい?』
「当たり前だよ。いっぱい可愛がってあげる」

明日は休みだから、たっぷり夜が明けるまでね。

僕も今日は気持ちが晴れて、ゆっくり由依ちゃんを堪能できそうだから。
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