孤独女と王子様
バーベキューのお肉は、デパートに出入りしている精肉業者から一番高級なものを手に入れたらしく、すごく柔らかかった。

網から鉄板に置き換えて、焼き肉もやった。

ごはんもおいしいし、何より、会話が楽しかった。

お母さんと2人きりだったはずの家族が、ここには5人いる。
そのお母さんと、まともに会話することなんて、ここ数年なかったのに。

お母さんの楽しそうな笑顔なんて、今まで見たことがなかった。
それが今、沢山見られている。

いるべき家族がここに集結している意味って、お母さんの笑顔がその答えなような気がした。

夜9時。

啓慈くんが"眠い"と言うので、後片付けを終えたお母さんが一緒に寝ることになった。

車の前方に3人分の就寝スペースを作ることができる。

私達は後方に作れる2人分のスペースに寝ることになったけど・・・さすがにまだ早い。

『2人は、もう少し俺と飲まないか?』

お父さんがそう言うので付き合うことにした。
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