孤独女と王子様
ビールだけかと思っていたお酒は、白ワインが備え付けの冷蔵庫にしまってあり、乾きもののつまみと共に頂く。
『ようやく、ようやくだよ』
3人でグラスを合わせた後、お父さんがゆっくり語った。
『俺は、鍬形の家に生まれて、地位だって金だって、名声だって、簡単に手に入る環境だった。でも、そのどれにも"情"が存在しなかったんだ』
お父さんの言う"情"とは、
感情、愛情、友情、同情・・・あらゆるものを総合してのことだろう。
つまりは人の心のことだ。
『当然、家族の絆なんてありゃしない。親父は仕事で忙しいし、お袋は子育てにも家事にもできないお嬢様で、お人形のような女性だったから、一緒に食事もしないし、俺はいっつもお手伝いさんと一緒に食べていたよ』
「お父さんに、兄弟はいなかったの?」
私は、お父さんのことを何も知らない。
この際、聞いてみようと思った。
『一人っ子だよ。お袋は俺を産んだら体型が崩れたって喚いていたらしい。こうなるくらいなら、二度と出産はしないとね』
「その、お母さんって、今は・・・」
『ようやく、ようやくだよ』
3人でグラスを合わせた後、お父さんがゆっくり語った。
『俺は、鍬形の家に生まれて、地位だって金だって、名声だって、簡単に手に入る環境だった。でも、そのどれにも"情"が存在しなかったんだ』
お父さんの言う"情"とは、
感情、愛情、友情、同情・・・あらゆるものを総合してのことだろう。
つまりは人の心のことだ。
『当然、家族の絆なんてありゃしない。親父は仕事で忙しいし、お袋は子育てにも家事にもできないお嬢様で、お人形のような女性だったから、一緒に食事もしないし、俺はいっつもお手伝いさんと一緒に食べていたよ』
「お父さんに、兄弟はいなかったの?」
私は、お父さんのことを何も知らない。
この際、聞いてみようと思った。
『一人っ子だよ。お袋は俺を産んだら体型が崩れたって喚いていたらしい。こうなるくらいなら、二度と出産はしないとね』
「その、お母さんって、今は・・・」