孤独女と王子様
剛さんのお母さんの里絵子さん。

女優業で忙しい最中も、空いている限り剛さんに手料理を振る舞ったり、旅行にも行った。
小学校の低学年までは、遅い帰宅でも剛さんを起こさないように毎日ベッドの隣に静かに潜りこんで寝るようにしていた。

家族は、やっぱりひとつ屋根下で暮らして、苦楽を共にして"家族愛"を築いていくのが自然な形なんだ。

家柄とか、政略的なところで、無理して引き裂かれたら、お父さんのようにこの年齢まで泣くことになる。

私もそう言う意味では犠牲になっていたかも知れないけど…これから、幸せになればいい。

剛さんがいれば、そしてお父さんお母さん、啓慈くんがいれば、継続できる。

今なら、自信を持って言える。

絶対幸せになれる、と。

『だから、やっとなんだよ。やっと、俺の夢が叶いそうだから…』

最後は、お酒も入っているせいか、泣きながら語るお父さんだった。
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