孤独女と王子様
先輩から教えを受けて、1人でキャプテンの仕事するようになってからは3ヶ月。
短いようで、毎週末同じ生活を送ると、どうしても惰性が出てくる。

しかし各プランナーはお客様である新郎新婦に心を籠めて何度も打ち合わせをし、練り上げたプランだ。

それを当日だけ関わる僕が壊してしまうわけにはいかない。
そういう思いが、結局さらに新郎新婦の顔を見えなくしていた。

この週末、土曜日2組、日曜日に1組を担当した。

ところが、日曜日の1組のお客様から、披露宴終了後に、衝撃のひと言を受けた。

"プランナーさんからきちんと引き継ぎを受けてやられているのか、最後まで不安でした"

ショックだった。
恐らく、僕に"もてなす"気持ちが足りなかったせいだろう。

余裕がなく、ただ滞りなく終わらせたいという思いが、お客様に伝わってしまったのだろう。
どうにか、この状況を打破しなければ。
< 4 / 439 >

この作品をシェア

pagetop