孤独女と王子様
まず、僕は先輩キャプテンに聞いてみた。

『それだけ自分で分かっているのなら、大丈夫』

と言ってくれた。
でもそれでは僕の中で満足できなかった。

いても立っていられなかった僕は、勤務終了後にホテル近くにある"わかば堂書店本店"に出向いた。
壁に当たっている僕に、ヒントをくれる本はないものか。

ビジネス書の棚を見ている。
どの本がいいのか、タイトルや表紙ではなかなか判断がつきづらい。

僕はその場に何分いるだろう。

すると、

「何か、本をお探しですか？」

チラッと見ると、女性店員が声を掛けてきていた。

僕は女性店員のことを少し鬱陶しく思いながら、それからは棚から目を外すことなくCSの本を探していると答えた。

しかし、女性店員は引き下がらなかった。
僕の探している心情を汲み取ろうとしている。

だから失礼なことをしたと思って、僕は目線を女性店員に移し、改めて女性店員を見た。
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