孤独女と王子様
『では、私はこれで…』
『小林さんも、一緒に飲みませんか?ハーブティー』
『いぇ、家族水入らずでお過ごし下さい』
『今から由依たちに話すことを、小林さんにも聞いてもらいたいんです』

律子さんのはっきりとしたお願いに、小林さんも"では…"と、ソファーに腰掛けた。

『でも、まずはあなた方よね。今日、話したいことがあったんでしょ?』
『うん』

由依ちゃんは妊娠していて出産予定が4月であることを律子さんに報告した。

『え?』

律子さんは口を手で押さえて絶句した。

『お、おめでとう、ふたりとも…』
「ありがとうございます」
『そりゃ、そうよね。夫婦なら、自然なことよね』

律子さんは祝福の言葉とは裏腹に、少し戸惑っているようにも思えた。

『どうしたの?お母さん。何か慌てているみたい』

娘はそれに気付いてお母さんに指摘した時、

『おぅ、お前たち、もう来ていたのか』

時刻はお昼。
通常なら仕事中だろうけど、舟さんが帰ってきた。
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