孤独女と王子様
実穂姉さんの悪阻が酷かったのをこの目で見ているから、由依ちゃんも同じようになるかが心配だったけど、個人差があるんだろうな。

『いらっしゃい。舟さんはまだ帰ってきてないけど、ゆっくりしていきなさいね』

律子さんはそう言って僕達をソファーに座らせると、すぐに執事の小林さんが紅茶を用意してくれた。

あんまり詳しくないけど、ハーブのいい香り。

『パーティーの準備は順調なのかな』

由依ちゃんは律子さんに聞く。

今回のパーティーは、鍬形コンツェルン主導で行われるので、僕達は招待者リストを提出したこと以外は、舟さんにおまかせな状態。

『舟さんに任せておけば、問題ないわ』

その顔は、夫を信じる妻の顔。

結婚してまだ約2ヶ月。
それでも心の絆はどこの熟年夫婦よりも強いと僕は思う。
< 401 / 439 >

この作品をシェア

pagetop