孤独女と王子様
「それ、来年の春が来たら、僕もご一緒したいです」
だから、これは本心。
『あの、ひとつお願いがあるんです』
突然神戸さんはそう言って俯いた後、僕の方向に体を向けた。
「何でしょう?」
『貴方のこと"成瀬川さん"だと、どうしてもお兄さんの局長のイメージが染み付いちゃってて、ちょっと抵抗があるんです。だから、私の勝手で申し訳ないのですが"剛さん"でもいいですか?』
そう提案してきた神戸さんの表情。
本人に全く悪気はないと思うけど、大きな瞳で真っ直ぐこちらを見ないで欲しい。
誘っているように思えるんだよなぁ。
「いいですね、それ。じゃぁ僕も"由依さん"でいいですか?」
すると、神戸さんは首を横に振った。
『"さん"はいらないです』
「それは難しいなぁ」
『いいんです。私は年下なので』
何度も思うが、真っ直ぐ僕を見ようが、上目遣いで僕を見ようが、眼力に負けそうだ。
だから、これは本心。
『あの、ひとつお願いがあるんです』
突然神戸さんはそう言って俯いた後、僕の方向に体を向けた。
「何でしょう?」
『貴方のこと"成瀬川さん"だと、どうしてもお兄さんの局長のイメージが染み付いちゃってて、ちょっと抵抗があるんです。だから、私の勝手で申し訳ないのですが"剛さん"でもいいですか?』
そう提案してきた神戸さんの表情。
本人に全く悪気はないと思うけど、大きな瞳で真っ直ぐこちらを見ないで欲しい。
誘っているように思えるんだよなぁ。
「いいですね、それ。じゃぁ僕も"由依さん"でいいですか?」
すると、神戸さんは首を横に振った。
『"さん"はいらないです』
「それは難しいなぁ」
『いいんです。私は年下なので』
何度も思うが、真っ直ぐ僕を見ようが、上目遣いで僕を見ようが、眼力に負けそうだ。