孤独女と王子様
「神戸さん、土日は仕事ですよね」
『はい、基本的には』
「だから、友達としては丁度いい」

僕がそう言うと"良かった"とホッとした表情をした神戸さん。

『でも私、サーフィンは出来ないですよ。スノボーも学校の行事でやった程度ですし』

神戸さんがそんな心配をしてくれることが嬉しかった。

「アハハハ。サーフィンはもうしませんよ。この職業ですから、日焼けはあまり出来ませんし。でもスノボーはやりたいですね」

でも、僕の趣味に合わせるのだけじゃ、申し訳ない。

「神戸さんは、本を読む以外に趣味はないのですか？」
『自然を楽しむのが好きですね』
「例えば？」

抽象的なことを言われたので、もっと具体的に聞いてみたかった。

『ハイキングとか、登山とか…１人で行きますよ』

１人でハイキングか。

僕はハイキングも登山も学校の遠足レベルでしか行ったことないけど、１人で行くのは寂しくないかなぁ。
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