シーサイド・ティアーズ~潮風は初恋を乗せて~
第3章 3日目

夏祭りへの準備

 翌朝、起きた直後から、昨夜のことを思い出し、一人喜びを噛み締める私。
 でも、夢じゃない、よね。
 私は洗顔や歯磨きをするため、階下へと降りていった。
「おはようございます。雫様」
 リビングで突然、翔吾君から挨拶をされた。
 他人行儀なのが少し寂しいけれど、他の人に聞かれる可能性がある場だから仕方ない。
 私も「おはようございます。蓮藤さん」と挨拶を返す。
「本日のご予定、いかがなさいますか? 朝食後、どこかへ行かれますか?」
「あ、朝食後、ちょっと里子に電話しますね。それ以降の予定は、そのとき考えます」
「かしこまりました」
 礼儀正しく一礼する翔吾君。
 私も軽く会釈を返した。

 朝食後、両親は知り合いの家へ向けて出発するようで、運転手さんと共に出て行った。
 私は里子に電話をすることに。
 昨日のことの報告が、主たる目的だ。
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