シーサイド・ティアーズ~潮風は初恋を乗せて~
 その後、下着だけでなく、服やアクセサリー、靴、リボン、シュシュなど色々なものを買ってもらってしまった。
 翔吾君の押しが強く、「俺が買いたいから! 何か文句ある?」と言って聞かなくて。
 買ってもらうことは嬉しいんだけど、さすがにこんなに沢山となると、かなり申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
 だけど、「ごめん」などと言うと、また翔吾君に「それは言わない約束だろ」って言われそうなので、やめておく私。
 ただただ、「買ってくれてありがとう」とだけ言っておいた。
 翔吾君は上機嫌で、「いいって」と言い、笑顔を見せる。
 その笑顔に弱い私は、顔が熱くなるのを感じ、静かにうつむいた。

「さーて、いったん別荘に戻って、海へ行く準備だ! 水着を着たり、必要な荷物をそろえたり、さっき買ったものを置いてきたり、しないとな」
 そう言って、車を発進させる翔吾君。
 こうして、いったん私たちは別荘へ引き返すことにした。
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