シーサイド・ティアーズ~潮風は初恋を乗せて~
 さすがに少し疲れたけど、無事に島へと到着することができた。
 ショウ君はほとんど疲れた様子もない。
 さすがだなぁ。
 細マッチョな身体もまぶしい。
「疲れたか? 大丈夫か?」
「大丈夫だよ」
「さすが、雫。頼もしいな。じゃあ、またこっちの洞窟へ来てくれ」
 そう言ってショウ君は歩き出す。
 私も黙って、ついていった。

「この奥だ」
 この前、来たときよりもさらに奥へと歩いていくショウ君。
 ところどころ、どこからともなく入ってくる光のせいで、真っ暗ではないけど……私は少しだけ怖かった。
「大丈夫なの? どんどん進んじゃって」
「何度も来てるから、安心しろ。しっかりついてこいよ。何なら、おんぶしてやろうか?」
「い、いいよ~。怪我してるわけでもないし」
「そうか。歩くのがきつくなったら、いつでも言えよ」
 どこまで本気なのか分からない。
 幼稚園時代と違って、私もそこそこ重くなってるはずなのに。
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