恋宿~イケメン支配人に恋して~
「あ、分かってると思うけど、もし両親に反対されてお前が東京に戻る場合は別れるからな」
「えっ……えぇ!?別れる!?」
って、なにそれ!
分かってると思うけど、って、知らなかったよ。考えてもなかったよ。
まさかのその言葉に、電車内ということも忘れ大声をあげた。
「なんですかそれ……あの旅館で働けない、女将になれる可能性のない女に用はなしですか!」
「まぁな」
「否定しない!?」
あっさりと頷くと、その視線はまた窓の外へと向かう。
ひ、ひどい……こっちにいられないとなったら即別れ話!?働けない私は用無し!?
会社も辞めて一念発起した人にその仕打ちって……!
こ、これは本気で親を説得しなければ……。
ふたりで出かけるのがうれしい、なんて言っている場合じゃない。心の中でそう決意を固めると、彼の隣でぐっと拳をにぎった。