ミントグリーン~糖度0の初恋~










「…………く、く、くどごぶ~!?」


39.5とデジタル表示された体温計を速攻で枕の下に押し込む。


熱なんて計らなきゃよかった……。


私はぼんやりと天井を見つめる。


高熱のせいか視界が霞んで見えた。






親不孝な私に神様は罰を与えたようだ。


母との電話から3日後。


私はひどい頭痛と喉の痛みで目が覚めた。


今までの経験で分かる。


これは、ただの夏風邪じゃなくて扁桃腺炎だ。


子供の頃から扁桃腺が弱かった私はよくこれにかかって家族に迷惑をかけてきた。


大人になって抵抗力がついたのか最近は風邪を引いても高熱を出すことはなかったのに、何故今になって……。



「まず、病院行かなきゃ…」


自分に言い聞かせて重い体を何とか起こす。


扁桃腺炎だったら市販の風邪薬を飲んでも熱は下がらないだろう。


病院に行って抗生剤を処方してもらわなくてはならない。


「喉痛い…」


まずは、水分補給をして…。


ベットから下りて立ち上がろうとしたら、足に全然力が入らなくてびっくりした。


こ、これは、想像以上にヤバいかも……。



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