ミントグリーン~糖度0の初恋~
「すぐ戻れると思うから」
そう言いながらシンタくんは店に戻っていった。
「はぁ…………」
盛大なため息をつきながらソファーの背もたれに勢いよく体を預ける。
なんでこんな風になっちゃうんだろう。
シンタくんはどこまでも優しい。
私の大好物を食べさせてくれて、
私のスーツに合わせた色のカクテルを作ってくれた。
きちんと私の話を聞いてくれるし、大切なことを教えてくれる。
そして、たった5分の道のりすら心配して送ってくれるという。
シンタくんは優しくて、しっかりとした大人だ。
それに対して、私は子供で頼りなくて。
結局今日のところは、妹キャラを確立してしまっただけのような。
「シンタくんが、遠い………」
もう一度ため息をつきながら、私はソファーに頭も預けて目を閉じた。