私の人生を決めてください
会社についてタイムカードを切ると制服に着替えた。

こんな時に制服があるのは嬉しい。

制服と化粧がわたしを隠してくれる。


ここは彼とは隔たれた空間。余計な邪念は入りずらい。

忙しいとなおありがたいのだが、そう上手くいかないのも現実だ。


「ねー、花菜(はな)ちゃん。顔色わるいよ?」

わたしの異変に気づいたようで、バックヤードに下がった時に声をかけられた。

「あはー、わかっちゃった?」

「大丈夫?具合悪いの?」

シフトの関係で一週間ぶりに会った彼女は心配そうにわたしの顔をのぞき込んだ。

「大丈夫じゃないよー」

「どうした?話聞くよ?」

あっけらかんと言うわたしに聖(さとみ)ちゃんの方が泣きそうな顔をした。

聖ちゃんは年下だけど職場では先輩でとてもなかよくしてくれる。

「今日ご飯行こう!」

「未世(みよ)ちゃんも行くかな?」

聖ちゃんの提案に追加する。

未世ちゃんは同い年で聖ちゃんよりは後輩になる。一番後輩のわたしといつも3人で仲良くしてくれる。
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