矢野くんが横暴すぎるんですが!
さて、と、千世が待ってるかもだし戻るとしますか。
矢野くんの前でいつまでも鏡にみとれてるのもアレだしね。

PPPP‥‥‥

不意に、屋上に携帯の音が響いた。
機械音ってことは、私のじゃないな。
つまり、矢野くんの?
へー、携帯持ってるんだ、意外。失礼かな。

てかそんなことどうでもいいんだって。
矢野くんが電話してるところ、個人的に興味あるけど、まぁいいや。

じゃあねー矢野くん。二度と会わないかもですが。

さっさと屋上を出た私は、大変なものを落としたことに気が付かなかった。
当然、それを矢野くんが拾ったことも。
そのことが、私の運命を大きく変えることも。

何も、知らなかった。
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