ドラマチック・ロマンス
俺は、カウンターに身体を預けて、聞く態勢になる。






男の子の言い分はこんな感じであった。





俺は、久しぶりにあたたかい気持ちになる。






クリスマスの日、男の子は母ちゃんの誕生日に、バラの花束を贈りたい。




男の子は、何かと家族が姉ちゃんにばかり執着するのが嫌で仕方なかった。



耳に障害がある・・・とゆう理由だけで、なんでこんなに姉弟で差があるんだと。




男の子は、姉ちゃんばかりに関わる家族に、イライラして。 姉ちゃんにもイライラして・・・・



イヤでイヤで仕方なかったらしい。


嫌いになれたら良かったのにと・・・





「だからと言って、姉ちゃんを嫌いになれるワケないんだ! 俺、姉ちゃん・・・好きだから。だから、姉ちゃんと俺を産んでくれた、母ちゃんに花束買って。姉ちゃんにも買って。 ついでに、父ちゃんにも。ついでに、ばあちゃんとじいちゃんにも買おうってワケ!!」





本当に小2なのか?っと疑うほど、ちゃんとしている男の子。




「ついでにってよぉ!くぅ〜、泣かせるな。でもよ、おまえの母ちゃんも父ちゃんもじいちゃんも、ばあちゃんも。ぜってー、おまえの事、可愛くて、愛してるに決まってるよ!

それだけは覚えておいて欲しい!!」





男の子の髪をワシャワシャやると、男の子は照れてしまったらしく、そっぽを向く。



すると、姉ちゃんは男の子に勢いつけて抱きついた。


「な、やめろって!!」






姉ちゃんも、おまえの気持ち分かってると思うぞ?



「花束は一つで良いと思うけどな。」



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