ドラマチック・ロマンス

男の子と、姉ちゃんは仲良く手を繋いで帰って行った。



バラの花束を一つだけ、男の子は注文して、どことなく照れて買って行った。




仲良くしろよな、二人しかいない姉弟なんだから・・・・





俺は、あの姉ちゃんがふと花菜に似ていたのに気付く。・・・中学生の頃の花菜に・・・・





なんで思い出してしまうんだろう・・・・


懐かしい記憶・・・




ふと、外に出て空を見て、花菜はどうしてるかな・・・・っと心なしかそう思う。



今更なんだけどな・・・・







「伊吹兄ちゃん、ぼぉーとしてどうしたんだ?」




いけね、センチメンタルな気分になっちまうところだった!




年の離れた弟の斗真(とうま)が俺の顔を覗いて来た。



「何でもないよ。ごめんなぁ、手伝い頼んで。」




「べっつにー!なんかさ、花屋ってモテそうじゃん!! だから、全然オッケー!!」



斗真の奴、ピースなんかしちゃって、生意気さ炸裂だな。





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