【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?





「あ、あの……」



10分ぐらいして、私は声をかけた。



「うるさい」



しかし、寝ぼけているのかどうなのか、そう言われてしまった。



あんまりしつこく言うと殺されちゃいそうだから、このままそっとしておこう……。
はやくチャイム鳴らないかな……。



キーンコーン―――



あ、チャイム鳴った!やった!!!



「ん……」



「あ、あの、チャイム鳴ったよ……?」



「あぁ」



拓磨くんは目をこすりながら起き上がる。



その姿がなんとなく可愛く見えて、キュンとする。



……って、なんでキュンとしてるの!
この人は学校一の不良だよ?
甘いマスクには似合わず、人を殴ったりする人だよ?



怖い怖い。
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