【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
「拓磨やっぱりここにいたーって……美憂ちゃんじゃん!」
私に気づいた多田くんが声をあげる。
「なんでこんなところに!?」
「え、いや……」
色々ありすぎてなにから話していいのかわからない。
というか、なんでクラスのムードメーカーの多田くんが?
2人って仲良かったのか……。
「祐輝、俺、コイツと付き合うことになったから」
「……えっ!?マジ!?」
「うるせぇな」
「だって……なぁ?拓磨、美憂ちゃんのこと……ぶふっ!」
拓磨くんが慌てて多田くんの口を手で塞ぐ。
ど、どうしたんだろう?
今、私の名前が出たような……。
「私がどうかした?」
「美憂はなにも関係ないから」
「?……そう」
気のせいか。
あ、こんなことしてる場合じゃなかった!