【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
「はぁ……」
立ち止まってため息をついた。
もう、私の人生終わったも同然。
矢野くん……星司くんに告白するなんてもうできない。
さよなら……私の恋心……。
「美憂!」
「葵ちゃん……」
教室に入ると、心配そうに葵ちゃんが駆け寄ってきた。
「体調、大丈夫?」
「体調は全然大丈夫、なんだけど……」
「え?」
「じ、実は……」
私は葵ちゃんにさっきのことを話した。
仮病を使って手紙を探しにいったこと、そしたら拓磨くんに手紙を拾われててカン違いされたこと……全部話した。
私が話終わったあと、葵ちゃんは恐ろしいものでも見たような顔をしていた。
「美憂、それ本気で言ってるの……?」
葵ちゃんの問いかけにゆっくりと頷く。