【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
「美憂……どうすんのそれ……」
「私だってどうすればいいかわかんなくて困ってるんだよ!もう、泣きそう」
「ツイてない自分を恨むしかないね」
「そ、そんなぁ」
色々偶然が重なりすぎたんだよ。
まず、星司くんと学校一の不良の拓磨くんが同じ苗字ってこと、そして拓磨くんにラブレターを拾われてしまったこと。
こんなことってある!?
「葵ちゃん~助けてよぉ……」
「私には無理だわ」
「うぅ……」
あぁ、神様。
お願いだから時間を巻き戻してください。
なんて願ったって無理なのはわかってるけど。
でも、本当にヤダ……。
キーンコーン―――
「じゃ、またあとでね」
2時間目の始まりを告げるチャイムが鳴り、葵ちゃんは自分の席へと帰っていった。