【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
教室へ向かっていると、教室の前の廊下で多田くんが待ち構えていた。
「た・く・ま―――っ!!!」
拓磨くんを見た途端、ものすごい速さで走ってきて、拓磨くんに抱きつく。
「うわあ……朝からうぜぇ……」
「えへへ、もう拓磨ってばそんな照れちゃって~!!!」
「……キモ」
「もう!ツンデレな拓磨も大好きだぞ!俺は!」
「黙れ、離れろ」
……なんかすごく、多田くんにポジションを取られた気分。
「あぁ、ごめんね、美憂ちゃん!そして本当にありがとう!」
「いや、私はなにもしてないよ」
頑張ったのは多田くんと葵ちゃんだもん。
私はただ、応援しただけ。
「ううん、美憂ちゃんの言葉がなかったら俺、前に進めなかったよ!」
「本当によかった。おめでとう、多田くん」
これからも2人のあの幸せそうな絡みを見られると思うと、楽しみだ。