【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?




教室へ向かっていると、教室の前の廊下で多田くんが待ち構えていた。



「た・く・ま―――っ!!!」



拓磨くんを見た途端、ものすごい速さで走ってきて、拓磨くんに抱きつく。



「うわあ……朝からうぜぇ……」



「えへへ、もう拓磨ってばそんな照れちゃって~!!!」



「……キモ」



「もう!ツンデレな拓磨も大好きだぞ!俺は!」



「黙れ、離れろ」



……なんかすごく、多田くんにポジションを取られた気分。



「あぁ、ごめんね、美憂ちゃん!そして本当にありがとう!」



「いや、私はなにもしてないよ」



頑張ったのは多田くんと葵ちゃんだもん。
私はただ、応援しただけ。



「ううん、美憂ちゃんの言葉がなかったら俺、前に進めなかったよ!」



「本当によかった。おめでとう、多田くん」



これからも2人のあの幸せそうな絡みを見られると思うと、楽しみだ。
< 303 / 350 >

この作品をシェア

pagetop