【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
「俺も祐輝に負けない、彼女バカかもしんない」
照れくさそうにフッと笑う拓磨くんにつられて私も笑顔になる。
彼女バカかぁ……。
それだったら私も、彼氏バカかもしれないなぁ。
拓磨くんのこと、大好きだもんっ。
「拓磨くん、好きって言って!」
「はぁ?なにいきなり……」
だって、好きって言ってほしくなったんだもん。
好きって言葉はたった2文字だけど、でも、それだけで幸せになれる。
不思議だなぁ……。
「好き、じゃないの?」
今日ぐらい、私が拓磨くんにイジワルしてもいいよね?
いつもの仕返し!
「好きなんて言葉がなくても、十分美憂には愛情表現してるつもりだけど?」
「それだけじゃ、足りないもん」
「ったく、美憂は欲張りだね」
フーッと息を吐くと、立ち上がって、私の耳に顔を近づけた。
「だ・い・す・き」
拓磨くんの甘くて低い声が耳から注がれ、顔がカアァと熱くなっていく。