【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
「姉貴、どうかした?」
すると、日向が心配そうに私の顔を覗き込む。
「え?別に大丈夫だよ」
「いや、顔がこわばってたからさ」
「う、ウソ!?」
「っていうか、今日は拓磨くん遅いね?拓磨くんの分の朝ごはん、用意してたのになー……」
残念そうに言った日向。
「拓磨くん、体調悪いから今日から少しの間、学校休むんだって」
「えぇー!?マジで!?残念……」
毎朝拓磨くんが家に来て、3人でごはんを食べながら話すのが日課になっていた。
だからすごく寂しい。
「じゃあ明日からしばらく、朝ごはん手抜こーっと」
口をとがらせて、拗ねる日向の頭を軽く叩く。
「なんでやねん」
「だって拓磨くんが食べてくれるから、毎日気合い入れてごはん作ってたもーん」
「日向は拓磨くんの彼女か……」
まぁ確かに私も、拓磨くんが朝ごはんを一緒に食べるようになってから、朝ごはん担当のときは気合い入れて作ってたけどさ!?