【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?






結局、返信がこないまま、放課後になってしまった。



「返信、来てないの?」



葵ちゃんがカバンを持って、私の席にやってきた。



「うん……まだ見てないだけかもしれないし、気長に待ってみる!」



「そうね、そのうち返信くるでしょ」



「うん!」



「じゃ、また明日ね」



「ばいばい」



葵ちゃんは私に手を振ると、教室を出ていった。



だんだん人の減っていく教室で、教科書をカバンに入れる。



『ほら、美憂。帰るよ』



『うん!』



毎日、そう言いあっていたころがなんだか懐かしく感じる。
それと同時に寂しい気持ちになる。



拓磨くん、なにをしているの……?



はやく、会いたいよ。
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