【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
矢野拓磨は学校一の不良で有名で、気性が荒く、ケンカで100人病院送りにしたとか聞いたことがある。
同じクラスだけど、全く授業に出たことがなかったから初めて見た。
不良っていうから怖い顔してるのかなーと思ってたけど、ウワサに聞いた気性の荒い性格には似合わず、甘い優しい顔をしている。
……というか、いわゆるイケメン?
じゃなくて!!!
……も、もしかして、ラブレターが矢野拓磨宛てだとカン違いされた?
や、やばい!!!
「あ、あのその手紙は……っ!」
私が全てを理解したときにはもう、矢野拓磨は手紙の中身を読んでしまっていた。
「ふぅん、なるほど?アンタは俺のことが好きなんだ」
「え、えぇ、っと……」
こ、怖い!
今にも人を殺しそうな目で私を見る。
「なら、付き合ってあげるよ」
フッと笑ってそう言った。
「……えっ!?」
い、今なんて……?
「今日からアンタは俺の彼女。決定な」
「う、そ……」
やばいやばいやばい。
完全にカン違いされてるししかも付き合うって……!